4章 新たな英雄

(クスクス)

ナナミ
はぁ・・・。
なんとか着いたね。
サウスウィンドゥは、
ここからもう少しに南に
いったところだよね。
ビクトールさんたち、
もう着いているかな?


(サウスウィンドゥ)

ビクトール
おお、やっときたな。
こっちだぁ、
2主!

「ビクトールさん!」 「クマさん!」
ビクトール
はっはっはっはっは、
ビクトール
だぁれがクマだって---?
ははははは、まあいいか。

ビクトール
よく生きてたもんだ、
うれしいぜ。
ミューズじゃあバラバラに
逃げたからよ。
みんなどこ行っちまったか
見当も
つかなかったんだが・・・。

「他のみんなは?」 「フリックさんは?」
ビクトール
あいつらは
例によって 酒場にいる。
ビクトール
あいつか?
連中といっしょに、例によって
酒場にいる。

ビクトール
あとな、知り合いが1人
来てるんだ。
なかよくしてやってくれ。

(酒場)

フリック
よく生きてたな、
2主。
それにナナミも・・・。

ビクトール
さっそくだが、
こっちが昔からの
知り合いのアップルだ。
今までおれたちと別行動を
とっていたんだが、
ゆうちょうにしていられなく
なったんでな。

アップル
連戦連敗(れんせんれんぱい)
だっていうから、すこしでも
力になれるといいんだけど。
よろしくお願いします。

ナナミ
私ナナミ!
こっちが、
弟の2主!
よろしくね、アップルさん。

「よろしくお願いします。」 「すてきなメガネですね。」
アップル
こちらこそ。
アップル
まあ、ありがとう。
初対面(しょたいめん)の人に
メガネをほめられるのは
初めてだわ。

ビクトール
それじゃあ、
みんな集まってくれ。
これからのことで話がある。


ビクトール
・・・それで市長の
グランマイヤーから要請
(ようせい)があってな。
おれたち
傭兵隊(ようへいたい)は、
ノースウィンドゥに
遠征(えんせい)
することになった。

ナナミ
ビクトールさんたち、
また戦うの??

ビクトール
ああ。もうすぐ王国軍は
この地方にも進出してくる。
それまでに体勢(たいせい)を
整えておかなきゃな。
それで、だ・・・アップル。

アップル
ええ、私はラダトの街へ
向かいます。
2主たちにも
いっしょに来て
もらえると助かるわ。

「ラダトの街?」 「なぜ、僕たちが?」
アップル
ここから東へいった
ところにある街よ。
私だけじゃ、
道中こころもとないから
・・・ね。
アップル
ほかに人手もないの。
みんなノースウィンドゥに
ではらっちゃうから。
私だけじゃ
道中こころもとないでしょ?

ナナミ
どうしよっか、
2主。

「行きます。」 「行きません。」
(↓ヘ) アップル
私1人で行くのは
ちょっと・・・ね。
フリック
おいおい、頼むぜ、
2主。
人手が足りないのは
知ってるだろう?

ビクトール
頼む、2主。
お前以外、頼めないんだ。

フリック
たよりにしてるぜ、
2主。

ナナミ
それで、
ラダトの街で何をするの?

アップル
私の昔の知り合いに合って、
仲間になってくれるように
説得するの。
その人がいてくれれば、
今の状況を逆転することが
出来るかもしれないから。

ナナミ
そんなにすごい人?

アップル
ええ・・・。
名前はシュウ。
いぜんは私と同じ
マッシュ・シルバーバーグ師の
もとで軍学を学んだ人なの。
軍師としての能力は、
師の折り紙つきよ。

ビクトール
とにかく、おれたちは
ノースウィンドゥの城の攻略で
手がはなせない。
頼むぞ、2主、
その男を連れてきてくれ。

アップル
それじゃあ、
2主、さっそく、
準備してちょうだい。
準備ができたら
私に声をかけてね。

アップルと話す 酒場を出る
アップル
準備はいい?
それじゃあ、
ラダトへ行きましょう。
 -

(ラダト)

アップル
・・・ふぅ、
やっと着いたわね。
さて、
シュウ兄さんは、と・・・。

(酒場)

酒場の主人
シュウさんの家?
街の東側だよ。
この辺りでは一番大きい
お屋敷だから、
すぐ分かるだろうさ。

ナナミ
ふーーん、
そのシュウっていう人、
お金持ちなんだ?

酒場の主人
ああ、
交易でもうけているらしい。
世の中あわただしいってのに、
いい気なもんだよ。

ナナミ
2主、
シュウさんにごちそうして
もらっちゃおうよ。

アップル
・・・遊びに
いくんじゃないんですからね。

(シュウの屋敷へ)

アップル
さあ、シュウ兄さんの
屋敷へ行きましょう。

(シュウの屋敷)

執事
いま、主人を
呼んできますので
こちらでお待ちください。

ナナミ
すごいお屋敷だね!
アップルさん、
こんなお金持ちと
知り合いだったんだ・・・。

シュウ
久しぶりだな、
アップル。

アップル
・・シュウ兄さん・・・・。

シュウ
さあてと、
用件はわかっているが、
一応、聞いておこうか。

アップル
用件は一つです。
わたしたちに力を貸してください。
ハイランド王国を率いる
ルカ・ブライトが覇権
(はけん)を握れば、
多くの人々が
苦しむことになります。
お願いです。
シュウ兄さんの力を
かしてください。

シュウ
まあ、そうだろうな。
ルカという男は、この世の
すべてを呪ってやがる。
都市同盟だけじゃなく、
ハイランド王国もズタズタに
するつもりだな。

アップル
だから、ルカの暴挙
(ぼうきょ)を止めなくては
ならないと思います。
お願いします。
力を貸してください。

シュウ
それはできない相談だな。

アップル

な、なぜですか?

シュウ
どの国がズタズタになろうが
おれには関係のないことだ。

アップル
そ、そんな・・・。
み、見損ないました!
あなたはマッシュ先生のもとで
何を学んだんですか?
先生は・・・!

シュウ
おれは破門された身だよ。
さて、話はそれで終わりか?
これでも忙しいんだがな。

「待って!」 「話を聞いてください。」
シュウ
・・・子供のお遊びに
つきあっているヒマは・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・!!
その右手の紋章・・!

アップル
・・・?

シュウ
・・・これは・・・・
『輝く盾の紋章』!?
・・・2主
と言ったな。
・・・もしや、ゲンカク老師の
養子の・・・・・・?

ナナミ
なんで、あなたも
ゲンカクじいちゃんの
名前を知ってるの?

シュウ
・・・・・・・・・・・
まさか・・・
こんなところで・・・。

・・・・希望はまだある。
2主と、
この紋章があれば・・・・。

アップル
・・・??

シュウ
2主、
きみの力を確かめたい。
模擬戦闘(もぎせんとう)で
おれに勝つことが出来たなら、
・・先の話は考えてもいい。

ナナミ
・・・・!!

アップル
シュウ兄さん・・・!

シュウ
言っておくが、
おれに勝てたら、の話だ。

シュウ
準備はいいか?

「準備OK。」

「ちょっと待って・・・。」

↓ヘ

アップル
シュウ兄さんは
一筋縄(ひとすじなわ)で
いく相手じゃないわ。
準備はしっかりね。

シュウ
お手並み拝見(はいけん)
といくか。

(シュウとのバトル)

(勝つ) (負ける)
↓ヘ

シュウ
まだまだだな。
もう少し腕を
磨いてくることだ。

 (上の「準備はいいか?」へ
 勝つまで続く)

シュウ
見事だ、2主。
これなら・・・勝てる。

アップル
シュウ兄さん・・・
それじゃあ・・・。

シュウ
ああ、まかせておけ。
お前たちには百万の軍勢に
匹敵(ひってき)する才を持つ
このおれがついている。

アップル
あ、ありがとう・・・!


ナナミ
シュウさん、いっしょに
来てくれるんじゃないの?

アップル
使用人にも暇を
ださなければいけないし、
急な店じまいだから
時間がかかるらしいです。
先に行っていてほしいという
ことですので、行きましょう。

ナナミ
だいじょうぶ?
まただまされるんじゃ・・・。

アップル
だいじょうぶです。
シュウ兄さんは
そんな人じゃありません。
行きましょう、
2主。


???
順調すぎる出世は、
命を縮めると言います。

???
それが本当なら
お前はきっと長くないな、
近衛隊長・・・
ジョウイ・アトレイド。

(ハイランド)

ジョウイ
心配していただけて、
光栄です。
シード将軍、クルガン将軍
おしゃべりはいいとして、
皇王への報告は、
もうお済みですか?

シード
ああ。
これから任地だ。
トゥーリバーだと、よ、
あんな辺境(へんきょう)・・
まったく、人使いが荒いぜ。

クルガン
トゥーリバーは市民の
抵抗(ていこう)が
はげしいと聞きます。
用心してくださいね。

ジョウイ
・・・・・。

クルガン
ジョウイ・・・?
どうかしましたか?

ジョウイ
え?・・・あ、
なんでもありません。
失礼しました。

シード
大丈夫か?
このところ休んでないって
聞くぜ?
ずいぶん顔が青白いが・・・。

クルガン
シード、人の心配よりも
自分の心配を。
剣以外のやり方で、
トゥーリバー市民をおとなしく
させる必要があるのですよ?

シード
ははは、
それはおれも不安だ。

ジョウイ
だいじょうぶですよ、
サポートする人間も
ついていきますから。
信頼(しんらい)の
できるものをとくに
選んでおきました。

シード
たよりにしてるぜ、近衛隊長。
ついでに皇子の手綱
(たずな)もな・・・。

クルガン
・・・シード、声が大きい。

シード
それじゃな、ジョウイ。
気が向いたらトゥーリバーにも
来てくれ。
歓迎(かんげい)するぜ。

ジョウイ
・・・・・・。

ジョウイ
・・・皇女様・・。

ジル・ブライト
近衛隊長になられた
そうですね。
兄のおもりは大変でしょう。

ジョウイ
・・そ、そのようなこと・・。

ジル・ブライト
らくにしてください。
内々に、お話したいことが
あるのです。

ジョウイ
・・・・・・・?

ジョウイ
それで・・・話とは?

ジル
『獣の紋章』のことは
ごぞんじでしょうか?

ジョウイ
・・・はい。
ブライト王家に
伝わっているという
真の紋章だと聞いています。
ただ・・・
使用するには多くの人間の血を
必要とするとか・・・。

ジル
兄は、『獣の紋章』を
戦争(せんそう)に
使う気です。

ジョウイ
・・・・・・・・。

ジル
兄を止めてください。

ジョウイ
・・・なぜ僕に?

ジル
争いは、お好きですか?

ジョウイ
・・・好きなわけが無い。

ジル
あなたになら、分かる・・・。
そんな気がしたのです。

ジョウイ
・・・・・・・。


(サウスウィンドウ)

フリック
・・・サウスウィンドゥには
入るな。
ハイランドの手に落ちた。

アップル
な、なんですって!!
本当ですか?

フリック
ノースウィンドゥに行くぞ。
ビクトールたちが
待ってるはずだ・・・。


(ノースウィンドゥ)

ビクトール
もどったか、
2主、
アップル。
どうだった?
軍師さまとは
話がついたのか?

アップル
シュウ兄さんは協力を
約束してくれました。
すぐに追いつくはずです。

ビクトール
あとは、その軍師さん
次第ってわけか。
しかし、信用できるのかねぇ、
破門になったようなやつ
なんだろう・・・・・?

シュウ
ならば、今すぐこの場より
立ち去ってもらおう。

アップル
シュウ兄さん!!!
はやかったですね。

シュウ
支度以外にも用事が
あったので、馬を飛ばした。
途中、3頭もつぶして
しまったがな。
おい、そこの大きいの。
お前がビクトールか?

ビクトール
ああ、そうだが。

シュウ
勝ちたければ、
以後おれに対し疑問を
持つような言葉を発するな。
それができないのなら、
戦いのジャマだ。
出て行ってもらおう。

ビクトール
・・・・・・・・・・・・・
・・・アップル。
こいつが破門になった理由、
なんとなく分かるぜ・・・。

シュウ
そこの青いの、
名はフリックだな、兵士は
どれぐらい集められた。

フリック
おれは
青いの呼ばわりかよ・・・。
こっちは、ミューズ、
サウスウィンドゥから
逃げてきた兵士、
あとは女、子供、老人まじりの
兵が2000ほど、
あとは、このボロ城ひとつ。

シュウ
2000か、十分だ。
いいか、策はこうだ。
我々は城に立てこもる。
敵が城を包囲したら、こちらは
少数の部隊で敵陣(てきじん)
を迂回(うかい)して
ソロン・ジー本隊の背後
(はいご)をつく。

敵陣に動揺(どうよう)を
あたえ、
王国軍に吸収されている
サウスウィンドゥの連中を
寝返るように仕向ける。

ビクトール
確かに王国軍のなかに
サウスウィンドゥの連中が
まじっているが・・・。
そんな簡単に裏切るか?

シュウ
心配するな。
すでに間者(かんじゃ)を数名
サウスウィンドゥの市軍に
しのびこませている。
タイミングさえ決まれば、
昨日まで同盟軍だった連中だ、
間者の扇動(せんどう)に
のってくれるさ。

フリック
ちょっと待てよ。
ここは岬の先端
(せんたん)だ。
包囲している敵をどうやって
すりぬけるんだ?

シュウ
すでに近くの村をまわって
船をかりうける
手はずは整っている。

フリック
なるほど、船で迂回する気か。
それで、その役はだれが
やるんだ?
まぁ、おれか、
ビクトールが・・・。

シュウ
いや、その役目は
別の人間にやってもらう。
2主、
きみにこの役目を
はたしてほしい。

「わかった・・・。」 「そんなこと言われても・・・」
↓ヘ ナナミ
ちょ、ちょっと、
ちょっと待ってよ。
なによ、なによ!
勝手にむずかしい話を
してたかと思ったら、
なんで、2主が
そんな危ない役目をひきうけ
なきゃいけないの?
シュウ
2主が
それをやる必要がある。
シュウ
きみがこの役目を
引き受けてくれないのであれば
この策は意味なきもの。
おとなしく
降伏したほうがよい。
いましばらく、
時間をあげよう。
よく考えてくれ。

シュウ
2主、きみにこの役目を
はたしてほしい。

シュウ
ハイランドを・・・・
ルカ・ブライトをとめるための
カギはきみの手の中にある。
よろしく頼む。
・・・アップル、
精兵300を選び出して
2主の
もとに集めるんだ。

アップル
はい!

ビクトール
今度こそは勝ち戦と
いきたいもんだな。

フリック
くさるなよ。

シュウ
王国軍がここに来るまで、
まだしばらく時間がある。
2主、この間に
十分準備をしておいてくれ。

シュウ
準備はいいのか?

「準備できたよ。」 「まだだよ。」
シュウ
よし、それなら休んでおいてくれ。
おそらく、そろそろだろう。
シュウ
念入りにな。
失敗は許されない。

兵士
王国軍があらわれました。
この城を包囲するようです。

シュウ
やっとおでましか。
ビクトール、フリック
準備は?

ビクトール
まかせておけ。

フリック
守ってみせるさ。

シュウ
では、作戦開始だ。


ビクトール
みな、持ちこたえるんだ!
2主が敵の背後に
回りこむまでの
しんぼうだからな!!

フリック
くっ・・・
さすがに敵の数が多いな・・。
頼むぜ、2主。

ソロン・ジー
な、なにごとだ!!!

王国兵
て、敵が・・背後から・・・!

ソロン・ジー
ば、ばかな・・・・。
どこからやつらは・・・・?

王国兵
ひ・・・ひい・・
はさみうちだ・・!!

ソロン・ジー
ちっ、
つまらんまねをしおって!
おちつけ!!
敵は少数だ!!!

(ソロンの部隊とのバトル)

ソロン・ジー
図にのりおって!
我が剣のさびに
してくれる!!

(ソロン・ジーとのバトル)

シュウの間者(かんじゃ)
ソ、ソロン様が負けた!!
負けたぞ!!!!
もうだめだ!!
この戦いは負けだ!!!

王国兵
ま、まて、逃げるな!!
・・・くっ・・
兵がこんらんしている・・!

シュウの間者(かんじゃ)
サウスウィンドゥの連中が
ねがえったぞ!!!!
やつら
市長の仇をとるつもりだ!

サウスウィンドゥ軍
みな、立ち上がれ!!
今なら勝てるぞ!!
王国軍をたおすんだ!!
おれたちの街を
とりかえすんだ!!

王国兵
だめだ、逃げろ!!
このままでは逆に
敵に包囲されるぞ!!

シュウ
よし、勝った!!
見ろ、本隊をたたかれて、
サウスウィンドゥの市軍が
こちらに寝返っていく!!

ソロン・ジー
くっ・・・!
兵の頭数(あたまかず)だけを
そろえたのが裏目(うらめ)に
出たか・・・。
しかたない、
退却だ!!

(城)

ナナミ
やった!!
敵が逃げていくよ!!

シュウ
なんとか、しりぞけたな。
みな、ご苦労だった!!
城に戻ってくれ!!

アップル
・・・やりましたね!
ほんとに勝てるなんて・・・。

シュウ
勝てないと思っていたのか?

アップル
い、いえ、そんな・・・
けれどシュウ兄さん、
間者(かんじゃ)なんて
使っていたのですか?

シュウ
ああ、金はかかるが、
いろいろと
使えるものたちだ。

アップル
そう・・・ですか。

シュウ
なんだ?
あのものたちを
使ってはいかんのか?

アップル
・・・いえ・・・
そういうわけじゃ・・・。


兵士
おお、
2主どのが
もどってきたぞ!!

フリック
大人気だな
2主。
一躍、
みんなのヒーローだぜ。

ビクトール
はっはっはっはっは、
そりゃそうだ。
こんな少年がハイランド軍を
打ち破る立役者になったんだ。
気分爽快ってもんさ。

アップル
どう?
ヒーローになった気分は?

「きもちいい。」 「よくわからない。」
アップル
ふふ、正直ね。
アップル
そんなものかもね。

アップル
ほらほら、お姉ちゃんも
おまちかねよ。

ナナミ
2主、
だいじょうぶだった!?
ケガはない??
もうむちゃしちゃダメだよ?

「心配かけてごめん。」 「だ、だいじょうぶだって。」
ナナミ
ごめんって、
ほら、ケガしてるじゃない!!
こんなにすりむいて!!!
だから心配したんだよ!!
ああ、血が出てる・・・!!!
ナナミ
だいじょうぶって、
ほら、ケガしてるじゃない!!
こんなにすりむいて!!!
大丈夫じゃないじゃない!!

アップル
はい、そこまで。
シュウ兄さんが、
広間に皆を集めているわ。
なんだか話があるそうよ。
早く行ってあげてね。

(大広間)

ナナミ
なんだか・・・
兵隊のひともみんな、
あつまってるんだね・・・。
なにが始まるんだろう?

アップル
シッ・・
シュウ兄さんよ。

シュウ
みな、聞いてくれ。
この戦いは勝利を
得ることができた。
しかし、ミューズ市長
アナベルどのはすでになく、
ミューズ市、トゥーリバーも
ハイランドの支配下に
おちている。

このノースウィンドゥにも
いずれはハイランド王国の
本隊、ルカ・ブライト率いる
白狼軍が攻め入って
くるだろう。
そうなれば、今の我々に
太刀打ちするすべはない。
方法はただ1つ。
この地に力を集めることだ。

フリック
ここを反抗のための
拠点にするってことか?

シュウ
そうだ。
人々を集めるための
器はすでにある。
この城が器になる。
必要なのは人々を
結び付ける力。
人々をみちびくリーダーが
必要だ。

ビクトール
シュウ、
あんたがリーダーに
なるってことか?

シュウ
リーダーになるべき人物は
ここにいる。
2主、
いえ、2主どの。
あなたが新しい同盟軍の
リーダーとなるべきです。
どうか我々を勝利に導くために
道を示してください。

ナナミ
ちょ、ちょっと、
ちょっと待ってよ。
なんで?
なんで
2主なの?
なんかおかしいよ。
どうして?説明してよ。

ビクトール
ゲンカクの名前・・か?
シュウ。

アップル
ゲンカクって、
あの英雄ゲンカクのこと?

シュウ
30年前、都市同盟を追われた
英雄ゲンカクの子、
そして・・・
ゲンカクも宿していたという
『輝く盾の紋章』を
その右手にたずさえ、
今、
ソロン・ジーをうちやぶった
2主どの。
多くの人々があなたの姿に
希望を見るでしょう。
あなたこそが、
この同盟軍を率いるべきです。

「僕が・・・リーダー・・・。」 「そんなこと言われても・・・。」
ナナミ
そうよ!
なんで
2しゅが!!
ナナミ
ま、待ってよ
2主。
本当にいいの?
そ、そんな・・・・・。
よく考えてよ!
「ルカ・ブライトを・・・。」 「僕の力って言っても・・・。」
ナナミ
そ・・・・
そうだけど・・・・・・・
でも、2主が
それをしなくちゃいけない
理由はあるの?
今の戦いより、
もっともっと危ない目に
あうかもしれないのに?
ナナミ
そうよ!そうよ!
2主の力って
どういう意味??

シュウ
人を集める力。
多くの人々の心をつなぐ素質。
2主どの、
あなたにはその素質がある。
多くの人々があなたの姿に
希望を見るでしょう。
あなたの見つめるものに、
未来を見るでしょう。
祖国のため、友のため、
流された血のため、
そして、あなたのために
多くの人が集う。
それこそが『力』です。

「・・僕の力が役に立つのなら。」

「そんな『力』・・・。」
ナナミ
で・・・でも・・・・・。

ビクトール
いきなりいわれても
2主だって
こまるだろう・・・・・。
すこし時間を
やった方がいい。
それに2主に
話しておきたいことがある。
アナベルが伝えられなかった
ことだ・・・・・。

シュウ
・・・・・・・・・・・・・・
2主どの、
ゆっくりと考えて貰いたい。
そして、心が決まったなら、
もう一度ここへ来てほしい。
私は、
あなたを信じている。

ビクトール
2主、ナナミ。
後でおれの部屋に来てくれ。
ゲンカクの話をしてやる。


(ビクトールの部屋)

ビクトール
来たな。
はは、そんなにかたくなるな、
まぁ、こっちに来いよ。
ええっと、
酒というわけにはいかないな。

ナナミ
ゲンカクじいちゃんの話を
聞かせてくれるって言うから、
来たんだよ。

ビクトール
ああ、そうだったな。
さぁて・・・
なにから話せばいいかな。

ナナミ
もったいぶらないでさ!!
ゲンカクじいちゃんが
えらかったって話でしょ!?

ビクトール
ああ、そうだ。
おまえのじいちゃんは、
英雄だったのさ。
2主、
ハーン・カニンガムを
知ってるか?

「知ってる。」 「知らない。」

ナナミ
じいちゃんに
聞いたことがあるよ。
すごい強い人なんでしょ?

ビクトール
ああ、30年程前、
都市同盟に侵攻してきた
ハイランド軍の指揮(しき)を
とっていたのが
ハーン・カニンガムだ。

ビクトール
ハイランドの英雄だ。
30年ほど前、都市同盟に
侵攻してきたハイランド軍の
指揮(しき)をとっていた。

ビクトール
都市同盟の将は、
攻め寄せるハーンに
全く歯が立たなかった。
軍略(ぐんりゃく)でも
大胆さでも、当時のハーンは
頭ひとつ抜き出ていたんだ。

そして、ハーンの侵攻で
壊滅の危機にひんしていた
都市同盟を救ったのが、
英雄ゲンカク。
お前たちの祖父だ。

ナナミ
へーーー。
なんかじいちゃん
かっこいいね!!

ビクトール
ゲンカクは少数の手勢
(てぜい)をつれて、
王国軍の後方を
かくらんしたんだ。
都市同盟深くに侵攻していた
王国軍はこれに手を焼き、
進軍がおくれ始めた。
やがて都市同盟は
息を吹き返し、
ゲンカクを総大将にすえて
ハーンと真っ向から
やりあったんだ。

ナナミ
よくわかんないけど、
すごかったんだね!
ゲンカクじいちゃん!!

ビクトール
戦いは決着がつかず、
ハイランドの提案
(ていあん)で
ゲンカクとハーンの一騎打ちで
勝敗を決めることになった。
荒っぽい話だが、
当時はなんていうか、みんな
おおらかだったんだな。
決戦場
(けっせんじょう)には
たくさんの王侯貴族
(おうこうきぞく)が
集まった。

「もう一度はじめから話して。」

「ドキドキする。」

ビクトール
・・・・・・聞いてろよ。
まぁ、要するに・・・
ハーンとゲンカクが
一騎打ちをすることに
なったんだよ。
ハイランドと都市同盟の
代表としてな。
↓ヘ

ビクトール
だがゲンカクは剣を
構えようとしなかった。
ミューズ市長ダレルが何度と
なく彼に戦うよう命じたが、
がんとして聞かなかった。
ハーンがしかたなく、
ゲンカクの剣をたたき落とし、
勝負は決した。

ゲンカクは勝負を
けがしたとしてひなんされ、
都市同盟を追放
(ついほう)された。
それからあとのことは・・・
おまえらの方が知ってるな。

「剣を抜いていれば・・・。」 「なぜ剣を抜かなかったの?」

ビクトール
うん、だがな、どうも
ゲンカクの剣には、ダレルが
毒をぬっていたらしい。

ビクトール
いろいろと言われているが、
どうもミューズ市長ダレルが
剣に毒をぬっていたらしい。

ビクトール
ゲンカクが負けたなら
それでよし、
勝ったなら卑怯者
(ひきょうもの)
呼ばわりし、国外へ追放する。
ゲンカクは民に人気が
ありすぎたんだろうな。
政治家にはきらわれるさ。
どの道をたどろうが、
追放の運命(うんめい)
だったんだ。

ナナミ
zzzzzzzz・・・

ビクトール
っておい!!!!
まぁいいか。
つかれてたんだろうな。
もう夜もおそい。
ナナミを休めるところに
運んでやるといいさ。

「話してくれてありがとう。」 「そうする。」
ビクトール
どういたしまして。

ビクトール
ああ。

ビクトール
明日はリーダーに
なるかどうするか、
決めなきゃならないんだ。
ゆっくり考えるといいさ。


ナナミ
おはよーーーー
よくねむれた???

(大広間へ)

シュウ
心は・・・
決まりましたか?

「僕にその力があるのなら」 「僕には無理です。」
↓ヘ シュウ
ルカ・ブライトの強さが
天のあたえた才ならば、
あなたの持つ『力』もまた、
天のあたえたもの。
それなくして、
勝利はまたありえません。
アップル
おねがいよ。
あなた以外にはそれを
できる人がいないのよ。
それでもイヤだと言うの?

シュウ
あなた以外にそれを
できる人間はいません。
もう少しだけ考えてください。
リーダーの任をうけてくれる
気になったら
戻ってきて下さい。

シュウ
2主どの。
我らのリーダーと
なってもらえますね。

「僕にその力があるのなら」 「僕には無理です。」
↓ヘ 兵士
この戦いに勝つためには、
リーダーが必要です!!
2主どのが
その任につくのなら、
おれたち安心です!!
アップル
2主さま・・・。
おねがいします。
いまの現状を
救うことが出来るのは、
あなたしかいないのです。
シュウ
あなた以外にそれを
できる人間はいません。
もう少しだけ考えてください。
リーダーの任をうけてくれる
気になったら
戻ってきて下さい。

シュウ
2主どの。
我らのリーダーと
なってもらえますね。

「僕にその力があるのなら」 「僕には無理です。」
↓ヘ フリック
2主、
誰かに必要とされるってのはいいことさ。
それもこんなに多くの人間に、
必要とされている。
兵士
ソロン・ジーをやぶったときの
2主さんを見てたよ。

兵士1
だいじょうぶ
あんたならやれるさ。

兵士2
英雄ゲンカクの意志を継ぐ
2主さんが
リーダーになってくれたなら
おれたち勇気が出ます!
勝てるって思えるんです!!

この兵士1とか2は108星の誰かのような気がする。

ビクトール
2主、
おまえが決めたなら
それで良いさ。
おれの持つ力をすべて貸そう。
あのルカの野郎を倒す、
そのために。

フリック
頼むぜ、2主。
おまえの力が必要だ。

シュウ
2主どの、
我が師、
マッシュ・シルバーバーグの
もとで受けた教え、
神謀鬼策(しんぼうきさく)を
持って、補佐(ほさ)
しましょう。
そして、勝利をもたらすことを
約束する。

アップル
私も・・
非力な私だけど・・・
持てる力をすべて使って、
あなたを助けます。

兵士
英雄ゲンカクの意志をつぐ、
2主が、
おれたちのリーダーだ!!!

兵士2
勝てる!!!
勝てるぞ!!!
30年前の戦いと同じだ!!

ビクトール
はっはっはっはっはっはっは、
せっかく新しいリーダーが
決まったんだ。
ここは景気付けに一発、
宴会でも開いて・・・・・

(画面が光る)

レックナート

ビクトール
うわっ・・・・・。

ナナミ
え?え?え?
ど、どなた?

レックナート
2主・・・・。
『輝く盾の紋章』を
受け継ぐ少年・・・・・・。
あなたには、
多くの運命が交差しています。
あなたの友・・・・・
『黒き刃の紋章』を
受け継ぐ少年もまた、
運命の渦中
(かちゅう)にいます。

あなたたちの道は
時につらいものと
なるでしょう。
それでも、あなたは前を
見つめ進みなさい・・・・。
2主・・・。

(画面が光る)

ナナミ
き、消えちゃった!?
な、なんなの、今の人!?

フリック
レックナート・・・。
さきの戦争の時も、
おれたちの前に現れた。
・・・今回もどうやら、
波乱(はらん)ぶくみだな。

ビクトール
まぁ、先のことは
心配してもしょうがない。
さぁ、宴会だ。宴会だぁ。


ナナミ
おっはよーー、
2主、
リーダーになって
一日目の朝だね、
よくねむれた???
2主も
みんなのリーダーかぁ。

そうだ、お姉ちゃんが
2主に
施設のコト、教えるね!
みんなのリーダーなんだし、
それくらいの事は
知らないとね!

施設カードの説明、
聞くよね?

「うん。」 「もう知ってるよ。」

ナナミ
それじゃ、はりきっていこぉ〜!

(チュートリアル)

ナナミ
どう?わかった?
しっかり覚えて、
立派なリーダーになろうね。

ナナミ
え?知ってる?
そっか。
じゃあ、2主は
もう立派なリーダーだね。

ナナミ
あ、そうだ!
みんな大広間に集まってるよ。
なんかまた、
むずかしい話があるみたい。

(大広間)

ビクトール
おお、来たな、
2主。

いま、みなと
話し合ってたんだが、
この城に
名前をつけなきゃな。
何かいい名前はないか?
考えてくれ。

(名前を選択-ここではノースウィンドゥに)

ナナミ
ノースウィンドゥ城?
ふーん、
いいんじゃない?

フリック
2主にしては
上出来だな。

シュウ
2主どの、
これからのことを説明します。
よく聞いて、
決断(けつだん)を
お願いします。

ナナミ
な、なによ、
怖い顔しちゃって。

シュウ
まず、2主どの、
お聞きください。
国境を越えた王国軍はすでに、
ミューズ、トゥーリバー、
サウスウィンドゥなど、
都市同盟の中心になっている
街を攻め落としています。

だが、ルカ・ブライトへの
反感が強く、
いずれの街でも混乱が
続いています。
逆にいえば、
我々にとって
今がチャンスなのです。

アップル
王国軍はいきおいに
のって街を占領
(せんりょう)した分、
兵力もバラバラに
なっています。

とくに今、守りがうすいのが、
トゥーリバーと
サウスウィンドゥ。
市民の反抗(はんこう)も
合って、体勢(たいせい)が
整っていません。

シュウ
2主どの、
そこで、まずトゥーリバーか、
サウスウィンドゥから攻める
ことをおすすめします。

どちらから行くか、
ご決断を。

トゥーリバー サウスウィンドゥ 「ちょっと待って・・・」
シュウ
トゥーリバーを守るのは、
元王国軍第4軍のシード将軍。
猛将(もうしょう)です。
くれぐれも抜かりなきよう。

ビクトール
よおし、デュナン軍、
出陣だ!!!
今まで守る一方だったからな!
目にもの見せてやろうぜ!!!

フリック
デュナン軍の旗上げだ。
負けるわけにはいかないな。

next→5章(トゥーリバー)へ

シュウ
分かりました。
サウスウィンドゥを守るのは、
今までに何度か戦った
ソロン・ジー。

先の戦いのうらみもあります、
くれぐれもご用心を。

ビクトール
よおし、デュナン軍、
出陣だ!!!
今まで守る一方だったからな!
目にもの見せてやろうぜ!!!

フリック
デュナン軍の旗上げだ。
負けるわけにはいかないな。

next→5章(サウスウィンドゥ)へ

シュウ
お急ぎください。
王国軍にときを与えるのは
危険です。

シュウ
2主どの、
どちらから行くか、
ご決断を。

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